神根神社の獅子神楽

神根獅子舞とは?

神根獅子舞とは、神根神社秋季大祭の祭典行事として、岡山県吉永町神根地区に伝承されている獅子舞です。
昭和50年和気郡北部教育委員会より、舞の種類も多くまとまった特色のある雄型の獅子舞として無形文化財の指定を受けました。

起源

伝えによれば、1744年(江戸中期)、「門出八幡宮」の地区内に悪疫が流行し多くの人が病死し、その病鎮めを祈願して奉納されたのが起源とされています。

神根神社 石碑

奉納された獅子舞は、播州金内(兵庫県上郡町金内)の八保神社の神楽を取り入れたとの伝承です。
神根獅子舞は神根神社に奉納される神楽ですが、その「神根神社」は明治43年に「門出八幡宮」から合祀されました。合祀されてからは、門出の氏子の人達によってながく神根神社に奉納されてきました。

一時中止に

ながく継承された獅子舞でしたが、昭和37年を最後に人口過疎化の影響を受け、一時中止となりました。その後、昭和43年、貴重な文化遺産を復活保全しようという熱意に燃えた有志によって、保全会が結成され、昭和49年に初めて岡山県郷土芸能鑑賞会に出演、翌50年町指定となり毎年秋祭りに奉納されています。

獅子舞の構成と種類

獅子

獅子神楽奉納者は、以前は6歳から35歳までの男で、最高位の天狗役には、部落内の新婚と決まっていました。その他の役割は、警固、金幣、唐子、幟、ほら貝、すり鉦、太刀持ち、高張り、太鼓、笛で以上の他に相当数の交代要員が必要となるのでどうしても30名以上の編成となります。

舞型の種類

練り込み、舞い込み、神楽、悪魔、祇園、牡丹、八嶋、剣、洞、日向、寝神楽、須舞(角舞)の12種類です。

舞い型

祭りの日、獅子は天狗の誘導で頭屋の庭で一切り、八幡様で一切り回して天狗を先頭に約2キロの道を神根神社に進みます。
神社では神主宅で 二、三切り、幣殿で一切りし、最後に社務所前の広場で、約2時間かけて十二切り全部を終わります。12種類の舞型は、祭典の進行にあわせて演じます。何れの舞型も素朴な古式をもち、きわめて優雅な独特の舞型です。

囃子方(はやしかた)の種類

太鼓

囃子方とは、囃子の演奏を受け持つ役を指します。
神根獅子舞で使用する鳴物は『太鼓』、『笛』、『鉦』の3種類です。
『太鼓』は抜(ぬきと云い音響のややかたいもの)と地(じと云い音響のやや柔らかいもの)の2個を使用します。
『笛』は六穴横笛を用い3人以上で合奏し、『鉦(かね)』は地方の祭事、仏教(シンバル型)の鉦を使用し、これも2人以上で合奏します。

以上の各鳴物の合奏に よって各舞型に応じたリズムが構成されていますが、その他に、竹や細い木などを束ねて作製した「ささら」を用います。すり鉦の打ち方については、おおむね3拍子、7拍子又はその連続で構成されます。
音譜は耳から耳へ、口から口へと伝えられたもので額面に落とすのは難しいと言われています。

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